当院における『経鼻弱毒生インフルエンザワクチン(フルミスト点鼻液)』の接種について

(1) 年齢制限(218に限る)があります。該当する方は以下をお読みください。

(2) フルミストの概要と注意 以下をお読みいただき、もし受けたいと思われましたら(3)にお進みください。

 海外では以前から使用されていて、本邦でも個人輸入により接種が行なわれていました。インフルエンザウイルスを弱毒化した生ワクチンです。これまでの国内の不活化ワクチンに含まれる製造株とは同一ではありませんが、WHOが推奨している株を使用(下記参照)しており、現在のところ、そのことが効果を著しく左右する可能性は低いと思われます。

 注射は必要なく、左右の鼻に噴霧して一回で完了します。痛みなく、効果の持続が長い、鼻粘膜上のIgA抗体が産生されることにより感染防御が期待できる、といったメリットがあります。しかし、50%程度に“かぜ”症状(鼻づまり、鼻水、せき、のどの痛み、頭痛など)、10%くらいに発熱がみられます。ワクチン株によるインフルエンザ発症と見なすことのできる状況となる可能性があります。重い副反応(✳︎)もまれに起きることがあります。

 鼻にワクチン液を噴霧する際、動かなければ痛みはありません。霧状になって粘膜表面に付着します。鼻をすする必要はありません。もしすぐに鼻をかんでも問題となった報告はないようです。飲み込んでも大丈夫です(胃でウイルスは失活します)。

 生ワクチンですから、接種後しばらくは鼻腔内に弱毒化されたウイルスが存在します。 飛沫または接触によりワクチンウイルスが家族などにうつる可能性があります。

 他のワクチンの接種に関しては制限がありません。他のワクチンとの同時接種も可能です。

 ✳︎:ショック、アナフィラキシー(じんましん、呼吸困難、血管性浮腫)、脳神経障害、脳炎、けいれん、ギラン・バレー症候群(手足に力が入らない、しびれ、食べ物を飲み込みにくい、呼吸が苦しいなど)、血管炎(発熱、頭痛、倦怠感、紫斑、紅斑など)

副反応による健康被害が生じた場合の救済に関しては、健康被害を受けた方または家族が独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づき手続きを行うことと定められています。

付記:2025~2026年シーズンのワクチン株は次のとおりです。国内不活化ワクチン:A/ビクトリア/4897/2022(IVR-238)(H1N1)、A/パース/722/2024(IVR-262)(H3N2)、B/オーストリア/1359417/2021(BVR-26)(ビクトリア系統)。フルミスト:A/ノルウェー/31694/2022(H1N1)、 A/タイ/8/2022(H3N2)、 B/オーストリア/1359417/2021(ビクトリア系統)

接種後の注意

・接種後30分間は、急な副反応が起こることがありますので、院内で過ごされるか、すぐに戻れるところにいてください。

・過激な運動は避けてください。入浴はかまいません。

・体調の変化があれば診察を受けてください。その際フルミストの接種を受けたことは伝えてください。

・妊娠可能な方は2ヶ月間は妊娠しないように注意してください。

・接種後1-2週間は、乳児や重度の免疫不全の方との接触は可能な限り避けてください。

・米国や欧州の添付文書では、接種後2週間以内に抗ウイルス薬が投与された場合、ワクチンの効果を低下させる可能性がある、との記載があります。

(3) 事前のチェックをお願いします。

 接種前に記入していただく予診票に進むまえに、次ページの受付予診票にある質問事項を読んでいただきます。もし一つでも該当するようであれば、当院では接種いたしませんので、かかりつけの医療機関での相談と接種をご検討ください。確認できましたら(4)にお進みいただきます。 内容が当日にならないと分からないものについては、参考にしてください。なお、ダウンロード可能ですので、できればプリントして記入したものを当日受付にお持ちください。

(4) 接種前の予診票は、ホームページからダウンロードできます。受付にもあります。項目の繰り返しが多く、申し訳なく思いますが、ご協力お願いします。

(5)フルミストが届くのが9月下旬の予定です。分かり次第お知らせいたします。

 火曜日午前・午後、金曜日午後、別に発表する特定の土曜日午後、アイチケットの「インフル」でフルミストと選択して、時間予約をとっていただきます。

 繰り返しで恐縮ですが、当日の鼻の状態によっては、お勧めできない時がありますので、ご了解ください。その際は、延期されても構いませんし、皮下注射に変更するという選択もあります。

料金については、お知らせ「インフルエンザワクチン接種(2025)」をご覧ください。割引について確認してください。

受付できるかどうか判断のための経鼻弱毒生インフルエンザワクチン(フルミスト点鼻液)受付予診票  

質問事項回答
年齢(    歳)は2歳以上、19歳未満ですか  いいえはい
同居者に、2歳未満、妊婦、重度の免疫抑制者の小児がいますかはいいいえ
点鼻接種でも大泣きする可能性がありますか (接種前から泣いていますと涙が鼻腔内に降りてきていて、霧状になったフルミストが鼻粘膜に接触せずに流される可能性があります)はいいいえ
心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患などの基礎疾患がありますかはいいいえ
発育のことで医師や保健師の指導を受けていますかはいいいえ
これまで公費自費共に予防接種を受ける際、急性疾患にかかった場合以外で、医師に予防接種を受けることが不適当と判断されたことがありますかはいいいえ
過去にけいれん(ひきつけ)を起こしたことがありますかはいいいえ
過去に(ワクチンと無関係であっても)ショック、アナフィラキシーなど過敏症を起こしたことがありますかはいいいえ
薬の服用または食事(ゼラチン、鶏卵、鶏肉など)で発疹がでたり、体に異常をきたしたことがありますかはいいいえ
免疫機能に異常があると診断されている、または、過去に免疫状態の異常を指摘されたことがありますか (無脾症 [機能的無脾症を含む] も含まれる)はいいいえ
人工内耳埋め込み術を受けたことはありますか、内耳の先天性形成不全、持続的な脳脊髄液の交通がある病態であると説明を受けたことはありますかはいいいえ
頭蓋顔面奇形はありますか 注意:その場合、手術で修復されていれば「いいえ」に○をつけるはいいいえ
免疫抑制剤(シクロスポリン[サンディミュン、ネオーラル]、タクロリムス[プログラフ]、アザチオプリン[イムラン])等)や免疫調節薬(「生物学的製剤」と説明されているかもしれません)による治療を受けていますかはいいいえ
アスピリン等サリチル酸系医薬品、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸のどれかを内服中ですか(ライ症候群やインフルエンザ脳炎・脳症の重症化との関連性を示す報告がある)はいいいえ
4週間以内に抗インフルエンザ薬を内服または吸入しましたかはいいいえ
経口または注射の副腎皮質ホルモン剤を使用しているか、長期大量投与を受け投与中止後6ヶ月以内ですかはいいいえ
副腎皮質ホルモン剤(ステロイド剤)を吸入または点鼻をしていますかはいいいえ
喘息発作を過去1年以内におこしましたか または、現在5歳未満であれば、今までに喘息がありましたか はいいいえ
妊娠中ですか 妊娠の可能性がありますか(接種前1ヶ月間避妊していない、接種後2ヶ月間妊娠しないようにできない) 授乳中ですかはいいいえ
現在、鼻水が出ていますか 鼻詰まりがありますか(ワクチンが鼻咽頭粘膜に到達しにくい)はいいいえ
現在、重い急性疾患にかかっていますかはいいいえ
今日は体調がいつもと違うと感じますかはいいいえ
今は時間的余裕がなく、すぐに出かけなければならない状況ですかはいいいえ
本日の接種後、クラブ活動等、過激な運動の予定はありますかはいいいえ

診察した時に点鼻ワクチンをお勧めしないことがありえます。「いいえ」に丸をつけても中止となることがあります。ご協力ありがとうございました。全ての質問に答えが右側であれば、接種前の予診票に進んでいただきます。

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